調剤薬局での働き方は?

調剤薬局での働き方は?

「特徴やメリット・転職のコツをご紹介」

薬剤師が最も多く働く職場のひとつが調剤薬局です。
調剤や服薬指導など、薬剤師の知識やスキルがそのまま活かされる職場とも言えるでしょう。

そこで今回は調剤薬局での業務内容や特徴、働くうえでのメリット、更には転職のコツに至るまで詳しくまとめました。

「調剤薬局の基本」

調剤薬局での働き方は?


まずは調剤薬局に関する基本から押さえておきましょう。

■主な職場:保険調剤薬局(保険診療に基づき、医師が出す処方せんに従って調剤する薬局)
分かりやすくいえば、処方せん薬を扱っている薬局のことで、病院の近くにある門前薬局などがその代表格です。

■調剤薬局の定義
・薬剤師が常駐していること
・必要な施設基準を満たしていること
・医師の処方を基にした調剤を行えること

上記全ての基準を満たし、所属地域を管轄する各行政地区の保健福祉局などから認可を受けた事業所や店舗が「薬局」と認められています。
調剤薬局はそのほとんどが保険薬局(厚生労働省の地方部局である「地方厚生局」から保険指定を受けた薬局)であり、病院やクリニックなど保険診療を行っている医療施設の保険医が交付する処方せんに基づいて調剤が行われます。

■年収:平均450万円~600万程度
職場や年齢、役職によって年収は異なりますが初任給は平均400万円程度。
年齢、経験、役職が上がっていけば600万円以上の年収になることもあります。

■調剤薬局の種別
・門前薬局・・・病院やクリニックの近くに開局し、近隣の医療機関の処方せんを中心に扱う最も多いタイプの調剤薬局。

・調剤併設型ドラッグストア・・・ドラッグストア内に併設されたタイプの調剤薬局。近隣の医療機関だけでなく、ドラッグストアでの買い物目的で来店した患者が様々な医療機関の処方せんを持ち込むのが特徴。

・在宅・施設調剤型薬局・・・老人ホームや通院が難しい高齢者など、在宅・施設にいる患者に向けて調剤を行い、直接患者の元へ出向いて薬のお渡しや服薬指導などを行うのが主な業務。
単独ではなく、在宅医療に関わる医師や看護師とも連携を取りながら業務を進めるため、「医療チームの一員として働く」傾向が強い。

「調剤薬局での業務内容」

ここでは調剤薬局で働く薬剤師が具体的にどのような業務を行うのか?スタンダードな例を基に薬剤師の役割をまとめました。

①受付
患者様が初来局の場合は初回質問票に記入してもらい、アレルギーの有無、副作用歴、併用の有無などを確認します。
後発医薬品(ジェネリック医薬品)の案内や残薬の確認などもこの段階で行い、処方せん入力します。

②疑義照会
服用中の薬の名前や量、日数などの薬歴を処方せんの内容を確認し、必要に応じて処方した医師に問い合わせを行います。
薬剤師自ら患者様へ症状について聞く場合もあります。

③調剤
ピッキングマシン(全自動錠剤払出機)、散剤分包機、軟膏練り機、全自動錠剤分包機など調剤機器を活用しながら、間違いの無いよう正確に調剤を行います。

④鑑査
鑑査(薬剤師鑑査)とは、処方せんに基づいて調剤された医薬品の分量や中身が間違っていないかを確認する業務です。
いわゆる二重チェックで調剤によって事故や誤りを防ぐ目的があり、最初に調剤を行った薬剤師とは別の薬剤師(一人薬剤師の場合は例外)が行います。

⑤服薬指導
処方された医薬品を患者様にお渡しするタイミングで、薬剤情報提供書を基に服薬方法や服薬のタイミングなどを説明します。
患者様から薬に関する質問を受け、安心して正しく服用してもらうことが一番の目的です。

⑥会計
処方された医薬品の会計を行います。

⑦薬歴作成
患者様が服用中の薬の内容や副作用歴、アレルギーの有無などを来局する度に都度記入します。一人一人の治療経過や今後の服薬指導にも役立てられるため、欠かせない作業です。

その他、薬局内での雑務や在庫管理、事務作業など、一般的な事務所や店舗運営に必要な業務も仕事の中ではこなすことになります。
ちなみに調剤併設型ドラッグストアの場合、上記で記したような調剤業務だけでなく、職場によってはドラッグストアで扱う商品全般の案内や健康に関する相談、接客、品出しなど、ドラッグストア運営に関わる多様な仕事を担う必要があるケースも多く存在します。

「調剤薬局の特徴や働くメリット」

■勤務時間や休日が固定されている
調剤薬局の中でも特に門前薬局などでは、営業時間が近隣の病院・クリニックなどに準じて定められていることが多いため、薬局の営業時間がある程度短く、また休日も土日休みのケースが少なくありません。
仕事とプライベートの両立を働きたい人にとっては「働きやすさ」の点において大きなメリットでしょう。

■勤務形態が豊富
多くの調剤薬局では正社員だけでなく、パートや派遣社員として薬剤師を雇用しています。
その為、ママ薬剤師などが「週に3日、1日4時間だけ」などの形で働けることも多く、家庭の事情に合わせて働きやすい環境が用意されている点は魅力的でしょう。

■薬剤師としての基本スキル・経験が積める
調剤から服薬指導、健康や病気に関わる相談に至るまで、調剤薬局での仕事は薬剤師としての基本スキルを磨き経験を積むうえではもってこいの職場です。
将来的な転職の可能性も考慮して、「まずは調剤薬局で働こう」と考える人が多い理由のひとつでもあります。

「調剤薬局に転職するコツは?」

薬剤師の働ける職種の中でも、調剤薬局は最も求人が安定して供給されやすい職種のひとつです。
ただし、求人が多いと言えど職場によって任される役割や負担、勤務形態、収入などは千差万別ですから、転職して必ず成功するとも限りません。

そこで転職のコツとしておすすめなのが、「転職サイト・エージェント」の活用です。

【転職サイト・エージェントを活用するメリット】

・一般的には出回っていない好条件の「非公開求人」と取り扱っている
・転職エージェントが個々の条件面、労働環境などの希望を聞いたうえでマッチングする転職先を紹介してくれる
・自分ではなかなか難しいことも多い、給与交渉や面接日時の調整などを転職エージェントが代行してくれることも
・求人案内に記載されていない職場の雰囲気や特徴などを、転職エージェントを通じて知ることが出来る
・複数の転職サイトを使い分けることで、様々な求人を比較しながら自分マッチする転職先を探せる

上記で記したのはあくまで一例ですが、「転職サイト・エージェントを活用することで、転職活動の効率アップや相性の良い転職先と出会いやすくなる」と考えてください。

転職について興味があるなら、まずは転職サイトに登録したうえでどんな転職先が出ているのか一度確認してみるのも良いでしょう。

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