薬剤師に関わらず、どんな仕事でもその仕事ならでは悩みを抱えている方は多く、悩みとどのように向き合い、対処するかが仕事を続けていく上では重要なポイントです。
今回は「薬剤師が抱えるよくある悩み」を調査しながら、同時にそれらの解消法や対策についてもご紹介することにしましょう。

今、薬剤師として働く中で悩みを抱えている方もそうでない方も、今後の自分自身に活かすためにぜひ参考にしてみてください。

様々な職種で問題になるのと同様に、薬剤師が抱える悩みの中でも特によく聞かれるのが人間関係の悩みです。
ただ、人間関係の悩みはその内容も無限に存在すると言えるほど人それぞれで、万能な対処法も存在しません。

従って人間関係で悩み、どうにも解消の見込みが薄い場合は、根本から人間関係をリセットするのがシンプルかつ最も効果的な方法になります。

【人間関係をリセットする方法】
①職場を辞める
②異動・転勤する

①については、人間関係だけでなくキャリアや慣れ親しんだ仕事の進め方などその多くをリセットしなければなりません。
もちろん転職で成功して、以前より収入面や労働環境が改善される見込みもありますが、未知数の話になるのが現実です。

いっぽう②の選択肢については、特に調剤薬局で働いている薬剤師の場合、複数店舗展開している薬局であれば、キャリアや基本的な仕事の進め方をリセットせずに、人間関係の根本的な解消を見込めます。

職場を辞めて転職するか、異動・転勤するかはその時点で働いている職場によっても選択が異なってくるでしょうが、根本的に人間関係の悩みを解消したいのであれば、やはり今いる職場を離れるのが手っ取り早い方法です。

人間関係とはまた別に、労働環境が辛くて働くのが苦痛になっているとのお悩みも薬剤師からはよく聞かれる内容です。

【労働環境関連のお悩み例】
・閉鎖的な空間での業務が苦痛
・ミスが許されない環境で、時にはパワハラまがいの行為をされる
・スタッフ同士で仕事を押し付けあう
・残業が多すぎる
・労力と収入、待遇が見合っていない

これら労働環境関連のお悩みの多くは、その職場にとどまったうえで一個人が解決するのはなかなか難しい問題でしょう。
もちろん上司や同僚に打ち明けてみるのもひとつの手ですが、自分なりに手を打っても改善の見込みがない、悩みを打ち明けられる同僚がいない、などの場合は思い切って転職するのがベストなケースも少なくありません。

少なくとも自分一人で抱え込み過ぎて心身ともに負担をかけられた状態で仕事を続けるぐらいなら、全く違う新たな環境で働いた方が自分自身のモチベーションアップにはつながりやすくなるはずです。

働いてお金を稼いでいる以上、「収入をアップさせたい」「待遇面を改善したい」と考えるのはごくごく自然な発想です。
もちろん今の職場で給与・待遇面の改善を訴えることも出来るでしょうが、実際にはなかなか言い出しにくいものですし、実現させるのも簡単ではありません。

そこで給与・待遇面の改善、更なるキャリアアップなどを望むのであれば、やはりおすすめなのは転職です。
薬剤師として現場経験を積んでいるのであれば、転職エージェントを活用することで現状よりさらに条件の良い職場に転職できる可能性も十分にあるでしょう。

ただし退職する前の段階で、自分の希望に見合った条件の求人が用意されているかどうかは最低限確認しておくことをおすすめします。
複数の転職サイトに登録しておけば、好条件の非公開求人のチェック、求人内容の比較など事前の情報収集にも大いに役立てられるでしょう。

薬剤師が働ける現場は意外にも様々なジャンルで存在しており、経験して初めてその仕事の魅力に気づくこともあれば、仕事内容に不満を覚えることもあります。
例えば新卒で薬剤師として働く人の多くは調剤薬局に勤めますが、実際に働いてみると医師の指示通りに調剤を行う業務がほとんどであまりやりがいを感じられない、といったお悩みもよく耳にします。

このような仕事内容そのものに対する不満については、やはり働く場所もしくは仕事のジャンル自体を変えることでしか解消されないケースがほとんどでしょう。

少なくとも不満を抱くということはそれだけ「自分が薬剤師として何をやりたいか」も見えやすくなっているはずですから、本当にやりたい仕事を見つけるための転職の時期を迎えた、とも捉えられるかもしれません。

薬剤師に限らず勤め先を退社する、もしくは転職する決断を下すのは人によって相当の覚悟が必要でしょう。
特に転職の場合「必ず転職で成功する保証はない」ですから、転職の意思はあってもなかなか決断を下せない方も多いかと思います。

「転職先が決まらなかったら生活に困る…」
「自分が辞めたら同僚にしわ寄せがいってしまう…」
「希望条件に見合う転職先が見つかるか不安…」

そんな時はまず転職サイトを活用し、転職エージェントに相談してみるのも一つの手です。
自分が今の職場にどんな不満を感じているか？自分が本当はどんな職場で働きたいか？希望する条件に見合う求人はあるか？などなど、転職に関する疑問や不安を転職エージェントにぶつければ、それらを解消するために転職エージェントはひとりひとりに見合った答えを提示してくれるでしょう。

転職エージェントに相談しながら疑問や不安を一つ一つ解消していき、その上で転職するかどうかの判断を下せば良いわけですね。

このお悩みはこれまでにご紹介したものと比べて比較的軽いように感じるかもしれませんが、プライベートを重視したい人や職場の人間関係で悩みを抱えている人にとっては大変な苦痛を伴うことも珍しくありません。

例えば典型的なパターンとしては、「上司や同僚との飲み会」などですね。
行きたくないとは思っていても、上司や同僚からの評価や印象を考えると実際きっぱり断ることが出来る人の方が少ないかもしれません。また単純に金銭的負担が理由となる場合もあります。

こうした「勤務時間外の付き合い」に対する対処法は人それぞれですが、いくつか具体例をご紹介しましょう。

・単純に「お金に余裕がない」と告げて断る
・曖昧に断るのではなく、予定があると告げて断る
・飲み会を同僚との関係を深める場、疑問点を解消する場、などと考え、逆に自分にとってプラスに考える

断ること自体が苦手な方は発想の転換で最後の「自分にとってプラスに考える」方法を一度試してみるのもアリでしょう。
どうせ行くなら楽しんでやる、業務内で聞けなかったことを質問しよう、などといった具合に勤務時間外の付き合いを自分にとって有効活用するため、発想を転換させるわけですね。人間というのは不思議なもので思考や発想を意識的に変えるだけで、物事の捉え方や印象が大きく変わる生き物ですから、一度ダメ元で試してみてはいかがでしょうか。

以上、今回は「薬剤師が抱える職場でのよくある悩みとその対処法」についてご紹介しました。