未経験からのプロへ-プロフェッショナルに必要なこと

未経験からのプロへ-プロフェッショナルに必要なこと

「プロフェッショナルに必要なこと」

多種多様な薬を扱う薬剤師と言えば、豊富な知識や経験を必要とするイメージが強いかもしれません。
確かに薬剤師は薬のスペシャリストですから薬学についての確かな知識は必要ですし、間違いが許されないため、正確性も欠かせないポイントです。

ですが薬剤師として本当の意味での「プロフェッショナル」となるには、単純な知識や正確性だけでは十分とは言えないでしょう。 未経験からプロへなるために。現場の声に耳を傾けながら、薬剤師としての心掛けや覚えておきたいポイントをまとめました。

「薬剤師のプロフェッショナルになるにはまず基本から」

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どんなものであれ、薬剤師が患者に手渡す薬は患者自身の健康や病気に直接的な影響を与えることを、薬剤師はいついかなる時も忘れてはいけません。 その為に「薬剤師としての基本」をまずは押さえておく必要があります。

■薬剤師としての基本:探求心
医学は常に進歩し前進しているため、薬も日々研究され進化しています。
従って、薬剤師となった後も常に情報収集や勉強を継続していかなければ正しい調合はもとより、患者に適切な説明やアドバイスを行うことは難しいでしょう。

その為に必要なのが薬学に対する探究心です。自分自身が常に興味を持ち続け、理解や知識を深めようとする姿勢が患者からの信頼感だけでなく、薬剤師としての正確な仕事につながります。

■集中力
薬剤師は医師からの指示に基づき薬を調合するのが大きな役割のひとつですが、患者の持つ病気や薬の種類によってはひとつの間違いが生死に直結することも珍しくありません。

そうならないために、薬剤師は常に数ミリグラムレベルで正確に調合するための集中力が求められます。

また、現場によっては一日を通してひっきりなしに調合依頼が来ることも多々あります。そんな肉体的にも精神的にも厳しい局面でも集中力を研ぎらさず、正確に、かつ短時間で仕事を進めるためにはある程度の忍耐力が必要となるでしょう。

「薬剤師のプロフェッショナルは人としての資質も問われる」

薬剤師の主な役割は確かに薬の調合ですが、正確にミスなく薬を調合できるというだけでプロフェッショナルとは呼べません。
それなれば調合の作業を機械に頼めば済む話です。

実は薬剤師に求められ大きな役割に「医療と患者とのパイプ役」があります。
医療機関では医師が患者を診断し、症状に応じて薬を処方します。
しかしご存知の通り、患者はその場で薬を受け取れるわけではなく、薬局で薬剤師を通して薬を処方されて初めて受け取ることが出来ます。

ただ、処方箋に基づき薬を調合し、患者に渡すだけなら前述した機械にその役割を任せれば良いわけですね。
ですが医療機関で処方された薬はただ使用するだけで効果が最大限に発揮されるものではありません。

例えばある薬が実際の使用時の効果が開発時の1/3程度しか表れなかったというデータもあります。理由はいたって単純で正しく服用されなかったからです。薬というのは飲む量や回数だけでなく、タイミングや他の医薬品や健康食品との兼ね合いで効能が大きく左右されるものなのです。

では医療機関から処方された薬の効能をなるべく最大限発揮させるために必要なものは何か?

そう、それこそが薬剤師の役割で「医療と患者とのパイプ役」と先に述べた理由です。

薬剤師は正確に薬を調合し、更にその後患者に対して薬を手渡す際にきちんと薬の内容や副作用、服用方法を説明するという大きな役割があるのです。患者の状態を見極め、時には医師や看護師に意見を申し入れたり、処方箋のミスマッチを指摘する場面も出てくるでしょう。

つまり薬剤師は「体に直接的な影響を及ぼす薬について正しく、分かりやすく伝える能力」さらには「患者の状態や意思を理解する能力」が欠かせないのです。
人としての資質が問われるのは、こういった役割を担うにあたって適切なコミュニケーション能力が求められるからだと考えてください。

「職場でのコミュニケーション能力も忘れずに」

患者と直に接する立場である薬剤師にコミュニケーション能力が重要なのは前述した通りですが、その能力は「内側」に対しても求められます。 「内側」とは同僚や働く現場内を指していると考えてください。

デリケートな薬というものを扱う薬剤師は、その性質上、業務中に油断や気を抜くことは許されません。当然注意力や集中力を維持し、正確で質の高い仕事をこなすためには労働環境も重要になるわけです。
考えてもみてください。ただでさえ神経を使う仕事なのに、同僚がストレスや不満の原因となるような現場で働きたいと思うでしょうか?

答えは当然「NO」で、ストレスフリーで同僚とも良好な人間関係を築くことが、結果的に自身の仕事の質にも直結すると分かるはずです。

従って、患者などの外部の人間だけでなく内側にも目を向け、常に自分以外の人間が気持ちよく働くためにはどうすべき?どのようにコミュニケーションを取るべきか?を心掛ける必要があります。

以上のように、薬剤師は薬学に対する知識や探求心だけでなく、多方面に対する人としての資質やコミュニケーション能力が求められる仕事です。

「この人と一緒に働きたい」「この薬剤師さんから説明を受けたい」そう思われることこそ「薬剤師のプロフェッショナル」であると覚えておけば、たとえ経験がなくとも薬剤師として求められる人材に成長できることでしょう。

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