実は最近、夜勤専門で働く「夜勤専従」が看護師の中で人気を集めているのをご存知ですか?
給料や環境など、人それぞれ夜勤ならでは魅力を感じているようですが、反対に夜勤の辛いところやデメリットなども存在します。
夜勤専従を中心にその実態を探り、転職·求職時の参考となる情報を今回は大公開しましょう。
夜勤専従の基礎知識
夜勤のみに従事する働き方を夜勤専従と呼び、看護師の世界でも多くの人が夜勤専従として今なお働いています。
そもそも看護師には「72時間ルール」なるものが存在し、夜勤としての勤務時間を1カ月当たり72時間までに収めなければならない、という取り決めが定められています。
例えば2交代制を採用しているところだと、ひと月に5.6回までしか夜勤に入れないような計算になる訳ですね。
これでは当然夜勤の看護師が不足しがちになってしまいますが、その穴を埋める役割として活躍するのが夜勤専従というスタイルです。
実は夜勤専従で働く場合、前述した「72時間ルール」が適用されません※ので、人材が不足しがちな夜勤帯においては現場からも重宝される存在と言えるでしょう。
※夜勤専従の場合でも、働ける時間を144時間までとしているところは未だに多いが(以前は上限を144時間と制定していた)
夜勤専従のメリット
ほとんどの夜勤専従では2交代制の夜勤に入ります。
2交代制だと17時~翌9時など長時間勤務になりますが、逆に長く働く分、勤務が終わってから次の勤務までは24時間以上時間が空くことになります。
その為、プライベートな時間をじっくり確保しやすい点はひとつの大きなメリットでしょう。
またやはり夜勤ですので、給与面の単価が高いのもひとつの魅力。
もちろん職場によってばらつきはありますが、2交代制で1回勤務した場合には3万円前後の給料となるのが相場です。
ちなみに常勤看護師と夜勤専従の収入を比較した場合、それほど大きな差が出ないケースも少なくありません。
例えば厚生労働省の平成25年賃金構造基本統計調査では、常勤看護師の平均月収が「33万円」となっています。
仮に夜勤専従として一回の夜勤で3万円給与が発生すると考えると、月に10回入った場合は1か月で30万円。交通費なども含めると31万円弱になるでしょう。
両者を比較するとその差はわずかですよね。
それでも夜勤専従の方が自由に使える時間は多いのですから、「効率」だけで考えると優れた働き方だと言えるかもしれません。
夜勤専従のデメリット
分かりやすいように一覧で並べてみましょう。
- 勤務時間が長い
- 夜間に働く為、体調管理が難しい
- スタッフが少ないので受け持つ患者が多い
- 緊急時の際のプレッシャーが大きい
- 夜勤メンバーとの相性が悪いと辛い
上記のような意見が、夜勤専従で働く看護師から聞かれるデメリットの中では多いようです。
やはり身体的な負担の大きさは定番なのでしょう。
本来、夜は寝ている時間でもありますし、更には長い勤務時間の中で時に命にかかわるような仕事を任されるとなれば···人によっては身体はもちろん、メンタル面にも相当な負担を感じてしまっても不思議ではありません。
とはいえ良くも悪くも夜勤帯はスタッフが少ないため、夜勤メンバーに恵まれればのびのび働けるケースも少なくないようです。
そのあたりは環境と、同じ職場にどのようなスタッフが在籍しているか。
ある意味運に左右されることもあるでしょうから、実際に働いてみないと分からないかもしれませんね。
夜勤での転職·求職のポイント
夜勤で働く場合、何より気を使いたいのは自分自身の体と心に対するケアです。
仮眠はとれるのか?休憩は何時間あるのか?といった身体を休める時間の確保については気を使いましょう。
更に夜勤帯はスタッフが総じて少ないため、サポート体制の充実度もポイントです。
マニュアルの整備度合いや役割分担がどの程度成されているか、指導体制や管理体制は十分か、などなど自分の負担が大きくなりすぎないようサポート体制が整った環境選びが重要になってきます。
このようなポイントを念頭に置いた上で転職·求人を行っていけば良いのですが、夜勤専従などは特にいま人気が高まっていることを忘れてはいけません。
身近な求人誌だけではなく、看護師専門の転職·求人サイトをうまく活用して効率良く職探しするようにしましょう。
メリットだけに気を取られるのではなく、「どれだけ負担の少ない環境で働けるか?」
ここが最中的な満足度にも大きくつながることを忘れないでください。